ブラスアンドカンパニー株式会社 飲食事業部

H.sugiyama memo

表題内容
『慎重すぎるのは、まったく用心しないのと同じくらいよくありません。

他人に疑念を抱かせるからです。』
他人に信頼されたければ、信頼してもらえるように振る舞わなくてはいけません。慎重すぎて何一つ新しいことに挑戦しない人は、慎重さに欠け、よく考えることもせずに思い浮かんだアイディアを試みようとする人と同じぐらい、自分の信頼性を損なっているのです(世間の大半は、極端な行動を判断力の乏しさと同等にみなします)。



とはいっても、極端に論理的な判断を停滞させてしまってはいけません。

“ 事実 ” と “ 考え ” の違いをしっかり見極め、信頼できる情報に基づいて決断し、計画を練りましょう。行動するのはそれからです!
『チャンスがなかったとブツブツ言うような人は、 きっと冒険するだけの勇気がなかったのです。』トーマス・エジソン[訳注1]は、「チャンスは、たいていカバーオール(※つなぎの作業服)にすっぽりと身を包んでやってくるので、多くの人が苦労は見えても、チャンスには気づかないのだ。」と述べています。チャンスを活かすには、たいてい大変な “ 努力 ” と、結果を気にせず思い切って挑戦する“ やる気 ” が必要です。



未知のものすべてとともにチャンスを受け入れるか、さもなければチャンスに背を向けるか、いずれあなたはそのような局面にぶつかります。そして、あなたがいつその局面にたどり着くかは誰も教えてはくれません。



行動を起こすタイミング、勇気を奮い立たせてチャンスをつかむタイミング、それはあなたが独りで見極めるのです。





[訳注1]

トーマス・エジソン(1847-1931)

アメリカの発明家。オハイオ州ミランの生まれ、学校にはほとんど行かず、鉄道の新聞売り子となり、駅で電信技術を習った。印刷電信機、蓄音機、白熱電灯などを発明する。
『ある盲目の学生は、講義内容を点字でノートにとり、タイプし直し、そのノートを目は見えてもやる気のない学生に売ることによって学費を工面し、 ノースウェスタン大学[訳注1]の修士課程を卒業しました。』人生で不思議なことは、とても条件に恵まれていながら(申し分のない人脈、教育、経験があるなどといったこと)あまりたいした人物にはならず、逆に苦労した人ほど信じがたい成功を収めることがあるということです。



人の成否を左右するのは、その人の決意です。成功したいという意志さえあれば、どんな障害にぶつかろうとも、どうにかして成功への道は見い出せます。



目標を達成するためにあなたが持っているものすべてを使っていますか?

それとも願望の欠如に苦しんでいるのでしょうか?  あなたの中に成功したいという願望を創り出すことは他の誰にもできません。



十分なやる気(モティベーション)があって初めて、あなたの周辺にある、目標を達成するために役立つような物事、今までは見落としていた物事が見えるようになるのです。





[訳注1]

ノースウェスタン大学:米国イリノイ州エヴンストンにある総合大学。
『やる気をなくしたときには、三重苦を背負っていながらもその著書を通じて、同時代のもっと恵まれた人々に勇気を与えたヘレン・ケラーを思い出しましょう。』ヘレン・ケラー[訳注]の人生は、人間の精神が身体的な障害に打ち勝っ

た素晴らしい実例です。死後何十年たった今も、彼女の人生は、多くの人にとって当然の日常茶飯事でさえ大変な苦労を要して行っている人々の、希望の指針となっています。



運命が過酷だと感じる時、周りを少し見渡してみるだけで、実はあなたがいかに恵まれているかということに気がつくでしょう。



人生の計画を立てるとき、見返りを何も期待せずに地域社会に何か恩返しすることを必ず含めましょう。お金だけでなく、時間と努力を費やすことによって、あなたと地域社会とのつながりが強化され、思慮深い行動がいかに有効であるかが具体的に明示されるとともに、人が何かを試みようと決断する場合、それを促す力が何であるかを気づかせてくれることでしょう。





[訳注]

ヘレン・ケラー(1880-1968)

アラバマ州生まれ。1歳のとき病気により視力、聴力を失った。しかし、後にヘレンの生涯を変える師となるアン・サリヴァンにより、話すこと、読むこと、書くことを教育される。大学卒業後、講演、執筆活動を行い注目される。彼女の自伝『私の生涯』は、後にウィリアム・ギブソンにより『奇蹟の人』として劇化された。
『一日延ばしの癖は、一昨日するべきだったことを明後日にまで引き延ばしてしまうという悪い習慣です。』成功を目指す者にとって、最も危険で有害な習慣は、恐らく “ 一日延ばしの癖 ” です。なぜなら、あなたのイニシアティヴを奪い取ってしまうからです。



一度何かを引き延ばしてしまったら、再び引き延ばすのは簡単で、ついにはその習慣が定着してしまい、逆にその習慣から抜け出すのが難しくなってしまいます。また悪い事に、引き延ばしの習慣がもたらす悪影響も積み重なっていくでしょう。



この習慣の治療法ははっきりしています。行動することです。とにかく何かを始めたなら、すぐさま気分が良くなることに、自分でも驚くことでしょう。



かつてイギリスの首相であり、作家であったベンジャミン・ディズレーリ[訳注]はこう述べています。「行動が常に幸せをもたらすとは限らないが、行動なくして幸せはあり得ない。」



[訳注]

ベンジャミン・ディズレーリ(1804-1881)

イギリスの政治家・小説家。

ロンドンでユダヤ系商人の子として生まれる。1837年、政界に入り、トーリー党首となった。1852年以降、蔵相を3度務める。1874年、首相となりスエズ運河会社の株を買収し、ベルリン会議でロシアの南下を阻止するなど帝国主義政策を推進した。
『常に一日延ばしをしている人は、言い訳を作り出す達人です。』“ できない ” 訳や “ やるべきではない ” という理由については、その気になれば、いつだってたくさん見つけることができるでしょう。 しかし “ やるべき ” 訳や “ できる ” という理由については、まず出てこないものではないでしょうか。



“ 一生懸命努力し、賢くなり、時間をかけたなら、どんなことでも成し遂げられる ” という考えを受け入れるよりも、難しすぎるからとか、金や時間がかかりすぎるからなどと弁解するほうがずっと簡単です。 私たちは、物事をやろうとせず、そこから逃れる口実を考えようとしがちです。



もしあなたが、やることをやらなかったり、計画通りに物事が運ばなかったりした場合に、その言い訳を考えることがよくあるのだとしたら、今こそ現実を見つめ直す必要があります。弁解することをやめて、まず行動を起こしましょう!
『進歩しない人には二通りあります。言われたことしかやらない人と、言われたことさえやらない人です。』いつも真っ先にクビにされて職を転々とするのと、同じ職場でうだつがあがらないまま単調に過ごすのとどちらが嫌でしょうか。前者は “ 言われたことをやらなかった ” 結果で、後者は “ 言われたことしかやらなかった ” 結果です。どちらの場合も、何とかやっていくことはできても、決して進歩する

ことはありません。



かつて指示に従うことが重要な資質だと見なされていた時代と比べ、現在のハイテクの職場では、パースナル・イニシアティヴが非常に重要視されています。工業技術の進歩に伴い多くの管理・監督業務が無用になるにつれ、私たちは、より少ない人員でより多くの仕事をすること、やるべきことを判断して実行することを求められます。



誰かに言われるまで待っていてはいけません。

やらなければならないことを予測し、それを実行できるようになるために、自分の会社や仕事のことをよく知りましょう ―― そしてやるべきことをやりましょう。
『生産性を高める方法をみつければ、あなたは昇進し、それに伴って昇給する ことでしょう。』どんな仕事でも、生産性を向上させる方法を一番よく知っている人がその仕事を任されるのは当然のことです。では、私たちが生産性向上のための提案を積極的に行わないのはなぜでしょう?



それは、私たちが、あまりにも多くの解雇やリストラを見てきたために、―― 自分の受け持ちの範囲を越えた仕事をすることを目標にしてそれを実行すれば、より重要で高い地位につくことができる ――

という一般的な考え方に確信が持てなくなっているからかもしれません。



それでも、先人の知恵はいまだに健在です。より良く、より速く、より安くする方法を見つけたなら、会社におけるあなたの評価は高まります。能率的な仕事のやり方を知っていることを実証できれば、企画会議やQCサークル活動( ※ 品質管理を含め業務一般の質を高める活動 ) などへの参加を要求されるようになるでしょう。そうなれば、出世は間違いありません。



なぜなら、あなたは、会社にとって欠く事のできない、非常に貴重な特別の存在になるからです。
『会社のために経費を節約しましょう。そうすれば、会社はその一部をあなたに還元してくれるでしょう。』その報酬は、すぐにはあなたの元へやって来ないかもしれません。もしかしたら、来週になっても、来年になっても来ないかもしれません。しかし、いつか必ず手に入る時が訪れます。



自分自身の財産を管理するのと同じように会社の資産を管理することを習慣にすれば、あなたが信頼できる人間であることを、会社や同僚に対して示すことになります。そうなれば、あなたは、いつか必ず大きな仕事を任せられるようになるでしょう。



実際に節約する経費は、それほど多くなくてもかまいません。大切なのは、無駄遣いをやめ、経費削減の余地を常にうかがう心構えを習慣化することです。

どんな仕事でも、どうやったらより経済的に仕事ができるのか、点検し、確認する習慣をつけましょう。そうすれば、あなたに任される予算の額も部下の数も確実に増えるでしょう。
『やりたい仕事であろうと、やらなければいけない仕事であろうと、同じように一生懸命に取り組む人は成功します。』常に二種類の仕事 ―― 自分がやりたい仕事と、自分がやらなければならない仕事 ―― を同時にやるべきです。同じぐらいの比重で両方の仕事に一生懸命取り組むならば、あなたは将来への準備を整えていることになります。

昇進して今の上司の、そのまた上司の仕事もこなせるようになる技能を学んでいることになるのです。そして実際にその時が来れば、あなたはすでに準備万端整っているわけです。



一つの仕事を覚えたからといって、それに甘んじてはいけません。

すぐに先のことを考えましょう。どうすれば今やっていることを改善できるのか、また将来成功するためには何を学ぶべきかを考えるのです。



私たちは、実際に形のある物よりも知的財産をはるかに重んじる、知識に基盤を置いた経済社会に暮らしています。このような時代に成功するためには、継続的な学習が必要です。この移り変わりの激しい世の中で、流れに乗り続けるということは、すなわち、生涯勉強を怠らないということなのです。
『正しく経営管理されている会社では、社員は自己の努力で昇進します。社員  の昇進に関して経営者が唯一行う業務は、その昇進が自己の努力によっても  たらされたものであるかどうかを注意深く確かめることだけです。』どんな組織であれ、労働意欲のなえる職場環境を招いてしまう必定のパターンがあります。それは、社員が「昇進するには策略を巡らすしか方法がない」と信じてしまうことです。正しく経営管理されている企業とは、昇進はすべて自己の努力によって成し遂げられ、適格な人材すべてに競い合うチャンスが平等に与えられている企業のことです。



あなたが経営者であるのなら、社員に関わる意思決定を、公正に行わなければなりません。



また、あなたが経営者を志しているのなら、社員を平等に扱う会社で働きましょう。その組織の中で技能と実力を発揮し、地位を獲得したとき、あなたは、この上ない職業の安定を得たことになるのです。
『孤独、落胆、不満の最善の解消法は、健康的な汗を流せるような仕事をすることです。』感情とは、時に不思議で気まぐれで、予想のつかないものです。感情は常に論理や理性に従うとは限りませんが、行動には必ず従います。



孤独や落胆、不満を感じた時、そのような消極的な感情を解消する最善の方法は、必死に働くことです。すると、ほぼあらゆる事柄について、当初ほど悪いものではなく思えてきます。あらゆる事柄を正しいものの見方で捉えるためには、熱心に働くことが一番なのです。



消極的な感情に襲われた時、自分の不運をくどくど考えていてもますます不愉快になるだけです。消極的な感情を心の中から払拭し、積極的で建設的なことを考えるよう最善の努力をしましょう。その際に役立つのは、体を動かす仕事をすることです。それほど集中力を必要としない仕事を選び、目の前にある仕事をやり遂げることだけに没頭するのです。
『あなた以外の誰もあなたの進歩を妨げることはできません。』自分の最大の敵は自分自身だと感じたことはありませんか? どんなに努力しても物事がうまくいかず、自分自身を責めるしかなすすべがないという状況は、誰もが一度は経験していることでしょう。しかし自分自身が自分の最大の敵となり得るように、自分自身が自分の最高の友達にもなり得るのです。



その変化は、たいてい、 ―― 自分自身の成否を決めることができるのは自分だけである ―― ことにあなたが気づいた時に起こります。“ ありのままの自分 ” を受け入れるとともに、“ 自分がなりたいと思う人間 ” になるため、必要な行動を起こせるほどに成長し、強い心と高い品性が養われたとき、あなたは、最高の友達を見つけることでしょう。



自分自身を客観的に分析できれば、長所をさらに伸ばしつつ短所を補うことができるでしょう。そして行動を起こしたとき、あなたの成功への道を妨げているのは、他でもなく、あなた以外にないことに気づくはずです。
『成功がやって来るのを待つつもりですか? それとも、どこかに隠れている  成功を探しに出かけますか?』詩人のジョン・ミルトン[訳注1]は、「ただじっと待つ者も、神に仕えてい

るのだ」と述べています。この言葉は意味深く、真実を伝えているでしょう。

しかし、人生の真の豊かさは、外に出てそれを積極的に捜し求める人のほうが手に入れる可能性が高いでしょう。



成功が華々しくブラスバンドの伴奏つきで行進してくることはまずありません。成功とは、長い間努力し続けた人によって達成されるものです。



イニシアティヴを発揮しましょう。そうすればあなたは自分のためのチャンスを生み出すことができます。綿密な計画に支えられた行動に代わるものはありません。





[訳注1]

ジョン・ミルトン(1608-74)英国の詩人。

ケンブリッジ大学在学中から、1629年『キリスト生誕の朝に』等によって詩人に認められる。1649年にO.クロムウェル共和政府の事務次官に任命されるとともに、『英国民のための弁明書』などの作成にあたったが、1652年過労のため失明。失明、経済的没落、家庭不和などの逆境の中で、詩作に

没頭し、現世に対する幻滅、悲観、侮蔑を宗教と芸術のみごとな融合の中にうたった『失楽園』を口述によって完成させた。他に、悲劇『闘士サムソン』などの作品を残す。


『あなたが自分自身の雇い主だったら、今日一日のあなたの働きに満足しますか?』
一日の終わりに、他人があなたのことをどう思うかは、あまり問題ではありません。大切なのは、あなたが自分自身をどう思うかです。一日の働きを振り返りながら、自分自身に問いかけてみましょう。



「私は自分の時間と脳力を100%使い切っただろうか?」

「これが私の会社だったら、今の自分のような社員を何百人も雇いたいと思う  だろうか?それとも、もっとイニシアティヴのある人間を雇いたいと思うだ  ろうか? 」



自分を振り返ってみて、「一緒に働いてみたいタイプの人間だ」とか、「自分がオーナーだったら雇ってみたいタイプの人間だ」と思えるのであれば、あなたが会社のオーナーになる日もそう遠くはないでしょう。また、オーナーまではいかなくても、会社にとって大変貴重な存在になことは確実です。



そして一番大切なことは、「今日はベストを尽くした」、「報酬分の働きをした」、「自分に課している職務遂行の基準に達することができた」という穏やかな気持ちで、夜ぐっすり眠れることなのです。
『今すぐ、やりましょう!』“ Do It Now! ” この言葉は最高のセルフスターターです。一日延ばしの気持ちが忍び寄ってきた時に思い出すべき言葉です。一日延ばしの気持ちにとらわれてしまったとしたら、その時点であなたはすでに行き詰まった状態にあるのです。



しなければならないことは常にあります。怠け病にとらわれてしまったなら、まず最初に目についた仕事から手をつけましょう。それがなんでもかまいません。重要なのは、“ 何もしないという習慣を破ること ” です。



もしある特定の仕事を避けているとしたら、その仕事こそあなたが今すぐ着手しなければいけない仕事です。そうしないとあなたの心の中で、その仕事は嫌なものだという気持ちが大きくなるばかりです。



“ Do It Now! ” の習慣を身につければ、“ パースナル・イニシアティヴ ” の真髄をマスターしたことになります。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『仕事の質、仕事の量、そしてその仕事に取り組む心構えが、あなたが獲得する給料の額と仕事の内容を決定します。』
企業の中で最高の地位まで昇進する人物は、 “ プラスアルファ前進する ”ことを習慣にしている人たちです。報酬以上の仕事を自分から進んで快く行うことを身につけている人のことです。あなたが自分の将来を決めることになる最初の重要な一歩を踏み出すのは、 「 どんな仕事でも積極的心構えで取り組み、それをやり遂げよう 」 と固く心に誓ったときなのです。



この心構えを身につけることが初めは難しいように思えても、徐々に自分のものになっていることに気がつくでしょう。 “ 常に与えられた以上のことをする人物である ” と認められることによって利益があなたにもたらされることが分かってくれば、もうこれ以外の方法で物事を進めようとは、思いもしな

いでしょう
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『磁石が鉄くずを引きつけるように、消極的思考の人はトラブルを引きつけます。』
不思議なことに私たちの心は、何故かいつでも考えていることを現実化する方法を見つけ出します。もし失敗するだろうと考えていれば、本当に失敗してしまうのです。



チャンスのたびにその消極的な面ばかり気にしていれば、何もうまくいかないでしょう。しかし幸いなことにその逆も真なのです。あなたが幸せで積極的ならば、積極的で好ましい物事を引き寄せます。



常に積極的な考え方を保つためには、消極的な考えがあなたの意識に入り込みかけたら、その考えをすぐ取り除くことが必要です。チャンスのたびに消極的な要素ばかりにこだわっていては、何も達成できません。



危険を冒すときは慎重でいなければなりませんが、かといって失敗を恐れて

すくんでしまってはいけません。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『あなたが何かを心配したり恐れているとすれば、あなたは心構えを直さな ければなりません。』
“ 心配 ”や“ 恐れ ”というのは、何の役にも立たない消極的な感情です。さらに悪いことに、あなたの行動に良い影響を与えることはありません。



この感情は両方とも放っておくと、どんどん広がって遂には積極的な感情を押し出してあなたの心を占領し、何をやっても成功できないのではないかと自分の脳力を疑うような非生産的な感情でいっぱいにしてしまいます。



“ 心配 ”や“ 恐れ ”などの感情をしっかりコントロールしないでいると、最後にはあなたがそのような感情によってコントロールされてしまいます。



感情が常に道理や理性によって正されるとは限りませんが、行動には常に影響されます。ですから、まず行動を起こしましょう。あなたの行動がその場の状況に完全にふさわしいものではなかったとしても、何か建設的なこと ―― それは何でもかまいません ―― をするというその行動自体があなた

の精神や心構えに積極的で建設的な影響を与えるのです。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『早く出世できたからといって、その地位が長続きするとは限りません。
『早く出世できたからといって、その地位が長続きするとは限りません。』





昇進を果たした後で失敗する人の多くは、新しい地位に就くことで直面する問題を克服できなかった結果です。



新しい地位に就いた時に強い不安を感じるのは ―― 今までに経験したことのない仕事なのですから ―― 当然のことです。準備が整ってから昇進することはめったにないのです。



また、昇進した時点でその地位にふさわしい能力がまだ身についていないというのも当然のことです。昇進したのはあなたに可能性があるからであって、初めから完璧であることを求められているわけではありません。



あなたの可能性を信じた上司の判断が正しかったことを証明するために働きましょう。新しい仕事にできるだけ早く、できる限り短い時間で慣れるように努力しましょう。それがあなたの最優先事項です。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『最初に与えることをしないで得ようとすることは、種をまかずに収穫しようとすることと同じようにむなしいことです。』
聖書には、「我々は、まいたものは刈り取るようになる」と書かれています。

どんなに肥沃な土でも、きちんと種をまき、耕し育てないと、作物はできません。与えることと得ることの関係はあなたが何をする場合でも変わりません。



どんな試みであっても、それを成功させるためには、まずあなたの時間と脳力を惜しまず使うことが大切です。何か得るためには、まず与えなければいけません。これはまったく心構えの問題です。



努力が報われず、がっかりすることもあるかもしれませんが、何の貢献もせずに見返りだけを要求しているとすれば、失望とイライラを感じたまま一生を送ることになるでしょう。



見返りを期待する前に、自分から進んでベストを尽くせば、この上ない報酬という大きな収穫が人生から与えられるでしょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『成功した人をねたむよりも、その人のまねをしましょう。』
ねたみは、消極的な感情の中でも一番油断のならないもので、無害のようにみえて実は大変有害なのです。



これは特別に意地の悪い感情で、積極的で生産的なすべての感情を、怒り、やきもち、絶望などの消極的な感情に置き換えることで、あなたを内側から破滅させてしまいます。

他人の成功を祝い、心からその人の幸福を望む時には、単にその人を称えるということだけでなく、あなた自身のことも良く思えてくるものです。



ねたみを克服してしまえば、今度は、成功するためにその人が具体的にどのような行動を取ったのか考えてみたくなるでしょう。一方、その人の成功を認めることによって、あなたとその人の関係もより強いものになるでしょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『他人について話す時は、その人の良いところを話していれば心配ありません。』
「もしその人の良いところを言えないなら、何も言うな」という古い格言は今でも十分通用します。組織の規模に関係なく、その中にある“ うわさ製造工場 ”は、非建設的なうわさ話となると遅くまで残業します。



例えば、あなたが他人の悪口を言えば、必ずその人の耳にすぐに届きます。

なぜなら、他人の悪口を私たちに言う人は、私たちの悪口もその人たちに言っているからです。



他人のことを悪く言わないこと、そして、皆がしているその種の会話には参加しないことです。



人の悪口よりも、もっと重要なことを考えている人たちと一緒に過ごすようにしましょう。そうすれば、つい漏れてしまった悪口のために謝らなくてはいけない心配もなくなるでしょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『あなたは人生を支配するのか?人生に支配されるか?どちらが“ 騎手 ”で、どちらが“ 馬 ”になるのかを決めるのは、あなたの心構えです。』
誰があなたの人生を支配するのか?ということになると、そこには妥協も交渉もなく、選んだ人生を受け入れ、実りの多い生産的な人生を送るか、それとも周りの状況に影響される人生を送るかのどちらかです。どちらにしても、障害にぶつかることは避けられないでしょう。



開拓時代の米国西部には、「御することのできない馬など存在しないし、落馬することのない騎手もいない」というカウボーイにまつわる格言がありました。



他の人々と同様に、あなたにも、何もかもがうまくいって有頂天になる時期があるでしょう。そういう時期を享受し、その楽しさをよく覚えておきましょう。



いつか、“ ばつの悪い手痛い落馬 ”をして、鞍に戻るために積極的思考を余分に働かせる必要があるときには、物事がうまく行って味わった幸福感を思い出すのです。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『仕事のことで不平を言う暇があったら、その中の好きな点を見るようにしましょう。そうすれば好きな部分がどんどん広がります。』
仕事について不平を言うのは簡単です。どんな仕事にも、できれば避けて通りたいような面白くない平凡な作業は必ずあるのです。



仕事の嫌な点ばかりが気になり、実際はそれが仕事全体のほんの一部にすぎないということを見落としがちです。



毎日の仕事の中に、何か一つでも気に入った点を見つけるのを忘れないようにしましょう。それは別に大きなことでなくてよいのです。自分がとくにうまくできる作業に喜びを見い出すことができれば十分です。



そうすれば早く一日が終わってほしいという気持ちは消えうせ、仕事に行きたくてしょうがないと思うようになるでしょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『仕事の質、仕事の量、そしてその仕事に取り組む心構えが、あなたが獲得する給料の額と仕事の内容を決定します。』
業の中で最高の地位まで昇進する人物は、 “ プラスアルファ前進する ”

ことを習慣にしている人たちです。報酬以上の仕事を自分から進んで快く行うことを身につけている人のことです。あなたが自分の将来を決めることになる最初の重要な一歩を踏み出すのは、 「 どんな仕事でも積極的心構えで取り組み、それをやり遂げよう 」 と固く心に誓ったときなのです。



この心構えを身につけることが初めは難しいように思えても、徐々に自分のものになっていることに気がつくでしょう。 “ 常に与えられた以上のことをする人物である ” と認められることによって利益があなたにもたらされることが分かってくれば、もうこれ以外の方法で物事を進めようとは、思いもしな

いでしょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『ライバルと戦うよりも、力を合わせた方が賢明な場合もあります。』
ささいなもめごとや、縄張り争いに明け暮れるよりも、共通の目標の達成に向かって仲良く力を合わせることができたら、どんなに素晴らしい世の中になるでしょう。



個人的対立や駆け引き、功名争いやささいな問題に関するいざこざに引きずり込まれてしまうと、エネルギーを消耗し、態度もひねくれてしまいます。その上、もっと重要なことに使うべき貴重な時間も無駄にしてしまうことになります。

他の人たちの動機を理解しようと努力すれば、あなたに反対する人たちでも、実は思っていたよりもずっと多くの共通点を持っているということに気づくでしょう。



自分のエゴを抑えて、その人の観点から状況を考えてみれば、たいていの場合、お互いの利益のために一緒に力を合わせる道を見つけることができるはずです。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『馬が自分本来の力に気づいたなら、人間に操られることはないでしょう。

私たちにも同じことが言えます。』
馬は温和ですが、人間よりもずっと大きくて強い動物です。それでも人間の言うことを素直に聞くのです。そんなに大きくて強い動物が人間に操られてしまうなど、少しおかしい気もしますが、私たちは知力を使って動物界を支配してきました。



知力を使えば、あなた自身の積極的な側面で消極的な側面を支配することができます。積極的心構えによって、あなたは自分の中に潜む素晴らしい力の源を利用することができるようになり、そのことによって以前には思いも及ばなかったようなことまで、達成できるようになるのです。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『友達よりも敵が多いとすれば、あなたの心構えを見直さなければなりません。』
友達よりも敵の数の方が多いとしたら、その問題の答えはあなた自身の中にあるようです。自分自身に問いかけてみましょう。



「私は自分が友達にしたいと思うようなタイプの人間だろうか?」

「他人の気持ちを考えてあげているだろうか?それとも自分のことばかり考えてはいないだろうか?」

「他人の良いところを見ようとしているだろうか? それとも欠点ばかりを探  してはいないだろうか?」

「何かがうまくいかなかった時、問題の解決法を探しているだろうか? それと  も誰かを責めようとしてはいないだろうか?」



このような自問に対する答えの中から、「なぜ自分には友達よりも敵の方が多いのか?」という疑問への答えが見つかるでしょう。


◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『他人を支配しようとする前に、まず自分自身の支配者であるという確信を持ちましょう。』
積極的心構えを身につけることができれば、大勢の中から抜きんでることができます。あなたはリーダーになるのです。積極的思考は積極的な行動を生むからです。逆に消極的思考は、無関心、何もしないことにつながります。



どんな状況でもイニシアティヴを発揮すれば、人は自然についてきます。自分の進むべき道を知っている人と関わりたいと思うからです。ただし先頭に立つためには、まず自発的に自己鍛練をする必要があります。



リーダーシップの第一のルールは、“ 自分がやりたくないことを他人に押しつけてはいけない ”ということです。自分で手本を示して初めて人を指導できるのです。



リーダーになるには、人一倍努力し、自分自身の運命の支配者であることを証明しなければいけません。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『最高の推薦状とは、正しい心構えで、優れた貢献をすることによって、自分自身に与えるものです。』
他人があなたのことをどう思っているかは、それがあなたの自己評価と一致している限り、重要です。



他人から、積極的で常に大きな貢献をしている人だと認められれば、あなたは引く手あまたの存在になるでしょう。なぜなら、そのような人物はどこにでもたくさんいるというわけではないからです。



積極性を保ち大きな貢献を続けてゆけば、同僚には重宝がられ、顧客には感謝され、上司にも認められ、報酬を与えられることでしょう。



にわかに成功することはできないかもしれませんが、簡単に失敗したり、その失敗が永久に続くわけでもありません。



積極的心構えで、“ プラスアルファの前進 ”をする習慣を身につけましょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『品性は、その人の心構えを正確に映し出します。』
積極的な性質というしっかりした土台の上に築かれたものでないと、成功は長続きしません。品性があるふりをすることなど、事実上不可能なことです。

にせものは、すぐにばれます。そういう人たちには実体がなく、見え透いたまねごとをずっと続けようという決意もないからです。



品性の育成は、積極的心構えから始まります。まず善良で礼儀正しく、正直で思いやりのある人間になりたいという願望が心の中に生まれなければいけません。



人格者になる決意をすれば、それが 「やるべき正しいことである」 という理由だけで、より積極的に正しいことを行っている自分に気づくでしょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『消極的心構えからは消極的思考しか生まれません。』
消極的心構えから積極的思考が生まれるなど絶対にありえないことです。人生の消極的な面ばかりをくよくよと考え続ければ、積極的思考を育む余地もないほどあなたの心は消極的思考に占領されてしまいます。そしてそれが、果てしない悪循環となるのです。



消極的思考の習慣はさらに多くの消極的思考を生み出し、それを心が現実のものに転換しようとします。その結果、人生は絶望的で希望のないものになります。ですから、消極的思考が入り込んできたらすぐに取り除いてしまう習慣を身につけましょう。



最初は小さなことから始めるのです。「これはできない」という、自分自身の内なる声が聞こえたら、その考えをすぐ心の外に追い払いましょう。そして、仕事自体に集中するのです。



仕事は、処理しやすい程度にまで細分化し、一度に一つずつこなしていきましょう。そして仕事をやり遂げたら、できないと考えていたもう一人の自分に「あなたは間違っていた。私にはできたのだ。やり遂げたんだ。」と言ってやりましょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『あいまいな心構えで他者を見ても意味がありません。』
自分の心は常に自分の目標に焦点を定めておかなければいけません。また、困難な時でも自分を支えることのできる冷静さも必要です。それらが自分自身の一部分となるまで徹底的に実践すれば、どんな状況に置かれても、自分が何をするべきかと迷い立ち止まることはなくなります。そして自然に積極的な行動をするようになります。



反省と勉強のための時間を必ず作りましょう。また目標を明確に設定し、それを達成するための計画やスケジュールを練るようにしましょう。意欲をかきたててくれるような作家や偉大な哲学者の書物を読んで、そこから得た知識をもとに自分のための行動規範を定めましょう。



そして他の人たちが何をしようと関係なく、あなたが毎日忠実に守ることができる、独自の成功哲学を確立するのです。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『積極的心構えは、どんなものでも動かしてしまう圧倒的な力です。』
ごく平凡な人が、いざという時になると信じられないほどの力を発揮した、という話をよく聞くことがあります。できるなどと夢にも思わなかったような至難の業でも、強さと忍耐力を発揮して成し遂げてしまうのです。



そのような力を自在にコントロールできて、必要な時にはいつでも使えたら素晴らしいと思いませんか? 実は ―― できると信じれば、本当にできるのです。



あなたも今までに、目標に向かって一生懸命に取り組み、短い時間で多くのことを達成できた時があったのを覚えているでしょう。休暇が目前に迫り、出発する前にすべてのことを済ませてしまおうという気持ちがあなたをそうさせたのかもしれませんし、あるいは、絶対に受からなければならない試験だったので集中できたのかもしれません。



そのような状況で発揮した集中力は、積極的心構えがあればいつでも利用できるものなのです。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『あなたの心の中にある限界は、自らが作り出しているものにすぎないものだということを忘れてはいけません。』
長い間陸上選手たちは、1マイルを4分で走るという壁を越えられずにいました。

ところが1954年5月6日、イギリスのロジャー・ギルバート・バニスター選手[訳注1]が3分59秒04で走り、世界記録を樹立しました。するとその後は、他の選手が次々にバニスター選手の記録を塗り替えました。



私たちは、とかく社会的な慣習になっていることをそのまま事実として受け入れてしまいがちです。目標は必ず高く持ちましょう。自ら定めた限界にとらわれて低い目標に甘んじていてはいけません。高い目標に挑戦していないため、ほとんどの人は、実際に実現可能な成功のレベルに達していないのです。



それを最も的確に表現しているのは、ロバート・ブラウニング[訳注2]の次の言葉です。「人間の力量は、手が届く範囲を超えるべきだ。そうでないと天の存在は何のためだろうか。」と言っています。



[訳注1]

ロジャー・ギルバート・バニスター(1929-)英国の長距離ランナー。医師。1954年に1マイルレースで初めて4分の壁を破る。医者としての輝かしい貢献によって、1975年にナイトの爵位を受ける。



[訳注2]

ロバート・ブラウニング(1812-89)英国の詩人。

テニソンとともにビクトリア朝を代表する詩人。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『自分は正しいという自信があれば、世間がどう思おうと気にする必要はありません。』
人生において著しい成功を収めたければ、周りの人たちから影響されないよう、自分の考えをしっかりさせなければいけません。成功とは大多数の人によって収められるものではありません。成功できるのはほんの一握りの人たちです。



また、成功への階段を上っていくと、嫉妬やねたみからあなたの業績をけなそうとする人もたくさん出てきます。それでも自分が正しいと信じていることを実行する勇気があれば、あなたの行く道を妨げるものは何もありません。自分自身の考えを実行し、身につけた知識について試行錯誤を繰り返しながら確固たる信念を自分の中に育てるのです。



あなたの問題解決のために、また、あなたの考えを集中するために役立つ、W.クレメント・ストーンの『2R2Aの公式』[訳注]を実践しましょう。



[訳注]

W. クレメント・ストーン

自らがナポレオン・ヒル・プログラムを実践者し、米国ベスト250の一人に数えられる大富豪になる。現ナポレオン・ヒル財団理事長。世界最大級の米国の特殊損保会社、エイオン・コーポレーションの会長で、傘下に米国最大手のコンバインド・インシュアランス・グループ他3社を所有。



2R2Aの公式

ナポレオン・ヒルの成功ノウハウを効果的に実践するためにW.クレメント・ストーンが説いた行動方式。2R2Aとは、「認識する(Recognize)」「関連づける(Relate)」「吸収する(Assimilate)」「応用する(Apply)」ことで、それぞれの単語の頭文字を取ったもの。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『たいていの病気は消極的思考から始まります。』
これは幾度となく実証されていることです。心気症患者、つまりどこも悪くないのに自分は病気だと信じ込んでいる人たちには、実際の病気とまったく同じ症状が現れます。そのような人たちは、実際に病気になったときとほぼ同じように体が蝕まれていきます。



また、失敗することを心配したり恐れることによって、病気にかかってしまうこともあります。“ 心は、一番よく考えていることを現実に変えようといつも努力している ”からです。



身体の健康を気遣うのと同じように、心の健康にも気を配りましょう。健康にいい、栄養のあるバランスのとれた食べ物を身体が必要とするように、心も同じように“ 栄養となるもの ”を必要としているのです。積極的思考をたくさん与えて心を養うようにしましょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『積極的心構えの人は、決して惰性に陥ることはありません。』
積極的心構えが身についた人は、どんなに単純な作業の中にでも、常に新しい興味をそそる何かを見つけ出す人です。そういう人は、退屈な思いをすることがありません。より速く効率的で上手な物事の進め方を常に追求しているからです。



いつもの慣れた仕事をする時でも、よりよいやり方を見つけながら行うことを習慣にしておけば、すぐに昇進の候補にあげられるでしょう。そして自分が以前に担当していた仕事に携わっている人たちの指導者となるはずです。



なぜなら、あなたは誰かに言われるまでもなくイニシアティヴを発揮してやるべき事をやる人物であることが証明されたからです。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『挫折があなたを打ちのめすのではありません。挫折に対する心構えがあなたを打ちのめすのです。』
人生には自分でコントロールできないことがたくさんあります。しかしそれに対処するあなたの心構えは、いつでもコントロールすることができます。



“ 挫折 ”は、あなたがそれを挫折だと認めない限り、永久に続くものではありません。



積極的心構えがあれば、“ 失敗 ”に惑わされることなく、実はそれが“ 学ぶべき体験 ”であり、次に挑戦するときには成功へ導いてくれるような“ 貴重な教訓 ”であることを、はっきり理解することができるでしょう。



自分自身に問いかけてみましょう。

「違った結果を出すためには、どんなふうにすればよかったのだろうか?」

「問題や間違いを最小限に抑えるためには、今後どうすればよいのだろうか?」

「次に役立てられるようなことを今回の経験から何か学んだだろうか?」



障害や挫折にも積極的心構えで取り組めば、自分でも驚くほど速やかに、挫折を“ 勝利 ”に変えることができます。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『健康な身体を維持する意志力がないということは、人生を左右する重要な状況において積極的心構えを維持する力にも欠けることになります。』
積極的心構えは、消極的思考を積極的思考に入れ替えようと決意しただけでは育ちません。そのためには、身体の健康を増進し維持するのに必要なものと同種の “ セルフ・コントロールを要するたゆまぬ努力 ” が欠かせないのです。



そしてその努力は、日々強化してゆかなくてはいけません。そうしないと、努力することをすぐに忘れ、“ 積極的心構えを身につけようという意志 ” を捨て去ってしまうからです。



自分の運命に責任を持ち、人生のいかなる場面においても積極的に ―― 身体的にも精神的にも ―― 生きることを決意すれば、あなたは特別の利益を受け取ることになります。



身体の健康を維持することで、あなたの積極的心構えは強化されます。そしてその積極的心構えが、さらなる健康の増進に役立つのです。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『あなたの心構えこそが、あなたの本当の主人です。』
あなたの時間や労力は、会社や自分以外の人の要求に従属しているかもしれませんが、あなたの心は、自分以外の誰にもコントロールすることのできない唯一のものです。



“ 思考 ” や “ 仕事に対する心構え ” や “ 支払われる報酬の代償としてどれだけのものを差し出す意欲があるか ” ということは、完全にあなた自身が決めることなのです。消極的心構えの奴隷になるか、積極的心構えの支配者になるかを決めるのは、あなたなのです。



あなたの人生における唯一の主人である “ 心構え ” は、完全にあなたの支配下にあるのです。出来事に対する心構えをコントロールできれば、事態の成り行きもコントロールできるのです。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『消極的心構えが原因で生じる心の病気は、身体の病気よりも危険です。その病気はいつも伝染するからです。』
人間行動学の専門家たちは「あるグループに属する人は、そのグループの他のメンバーから必ず何らかの影響を受けるものである」と言っています。



その上、グループ自体は、一番力の弱いメンバーの力しかないのです。グループ全体がレベルアップして、一番力の弱いメンバーができる以上のことを成し遂げるということは非常に稀です。グループから抜け出した人だけが、グループ全体の可能性を超えることができるのです。



消極的思考という心の病にいつも苦しんでいる人とつき合ってはいけません。愉快で積極的で生産的な人とつき合いましょう。時間はお金以上に、慎重に管理しなければならない財産です。成功したいという願望を持ち、積極的心構えを維持する努力をしている人たちと時間を過ごしましょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『望んでいないことではなく、人生で望んでいるものに心を向けるようにしましょう。』
私たちは心の内側の働きを探り始めたところですが、思考が及ぼす影響についてはずっと前から気がついていました。



「的の中心を射抜く」ことではなく、「的を外さないようにしよう」という考えに集中してしまうと、たいてい悲惨な結果を招きます。消極的思考で積極的な結果を期待することは不可能だからです。パットを外さないように考えてプレーするゴルファーや、ストライクを外さないように考えてプレーするボウラーなどがよい例です。



明確で具体的な目標を必ず持ちましょう。「たくさん金もうけしたい」「出世したい」などといったことは単なる願いであって、目標ではありません。いつまでに、どのぐらいの金額を稼ぎたいのか、また、具体的にどのような地位に昇進したいのか、そしてそこに到達するための方法、実現させたいと思って

いる時期を明確にしましょう。



カールソン・カンパニーズ社の会長、カート・カールソン[訳注1]は、「障害とは、目標から目を離した時に見える恐ろしいものだ」と言っています。





[訳注1]

カート・カールソン(1914-1999)

米国ミネソタ州生まれ。140以上の国において様々な産業に携わる54のファミリー会社を擁するカールソン・カンパニーズ社の創始者。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『あなたの心構えを変えれば、世間もそれに応じて変わります。』
あなたの世界は、「こういう世界にしたい」とあなたが決めた通りのものになるものです。大きな成功を実現することも可能ですし、希望も何もない悲惨な人生を送る事もありえます。どちらにせよ、選ぶのはあなたです。



積極的な人生の行路を進むことを選べば、誰にも止めることのできない力があなたを動かし始め、自己実現ができる一生の仕事、家族や友人の愛、心身の健康、その他すべての豊かさをあなたにもたらします。



あなたの世界を変えるには、すべてを一変しなければいけません。まずは、自分自身が変わることです。積極的な人生の行路を進むことを選んだなら、人生はより良いものになり、あなたが出会う人たちにも積極的な影響を与えることができるでしょう。
◇ 成功をつかみ取る心構え ◇



『あなたが強い願望を持つ人なら、チャンスはめぐってきます。』
私たちは、 ” 積極的思考の実験場 ” といえる素晴らしい世の中に住んでいます。私たちの国の政治のシステム全体が、個人の善性(優れた性質)に対する信頼を基盤としたものだからです。



この考え方は、合衆国で200年以上も前に独立宣言が初めて出された当時にあって、革命的な考え方でした。建国の父たちは、歴史上の偉大な思想家たちの思想を取り入れて、人民の政治の形態を確立しました。



経済や政治の状況は、さまざまな変化を見せていますが、個人を尊ぶ民主主義社会を私たちが維持している限り、“ 私たちが人生において望むものは何であっても達成することができるのです。



成功するために必要なのは、成功実現への願望と目標に到達するまであきらめないという決意だけなのです。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『できると信じれば、成し遂げることができます。』
そうなるだろうと信じたことが現実に起こることを、“ 自己実現的予言 ”と言います。心というものは、いつも考えていることを現実のものにするために、絶え間なく努力するように組み立てられているのです。



私たちの多くは、自分の中にある大きな可能性に気づくことなく過ごしてしまっています。他の人が「できない」と信じていることを、「自分は達成できるのだ」と信じようとしないからです。



“ 自分にできるとは信じ難い ” 仕事をするには、より一層の努力と集中力を必要としますが、やり遂げればその報酬は ―― 金銭的にも精神的にも ――

払った努力にふさわしいものになります。望むことすべては達成できないかもしれません。しかし、できると信じなければ、何一つ達成できないでしょう。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『いつも自分に言い聞かせていることは、たとえそれが事実でなくても、最終的に信じるようになります。』
自分自身に何かを繰り返し言い続ければ、潜在意識は、それを事実として受け入れるようになります。そうすると、今度は、潜在意識がそれを現実のものにしようとせっせと働き続けます。



このメカニズムを上手に利用して、心が積極的思考をするようプログラミングしましょう。動機づけとなるものや、アファーメーションを利用して、「望むことはすべてできるのだ」ということを潜在意識に信じさせるのです。



自信が揺らいできた時にはいつもこのアファーメーションの積極的な言葉を反射的に思い出すことができるようになるまで、一日に何回もアファーメーションを繰返すのです。アファーメーションは、「私はできない」という言葉ではなく「私はできる」という言葉を使って行いましょう。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『自分が信じられないことを他人に押しつけてはいけません。』
自信のなさや不安は、ボディランゲージや、声の調子、抑揚、言葉の選び方やその他の微妙な動作や表現などから、ほとんど相手に伝わってしまうものです。行動によって自信のなさを露呈してしまうと、他の人たちは、あなたの実行力を疑い出すでしょう。



あなたは他の人たちから尊敬や信頼を得ることができるし、またそうしなければならないのです。まず自分について、好きな点と変えたい点をリストアップすることから始めましょう。そして長所はさらに伸ばし、短所は克服するよう、意識的に努力しましょう。



簡単なことではないかもしれませんが、自分自身を客観的に評価し辛抱強く努力すれば、そのうち必ず短所を克服することができます。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『力は、正義を信じる人々に与えられます。』
私たち人間は、“ 信じる脳力 ” を持つ唯一の生き物です。“ 信じる脳力 ” は、ほぼ生来のものである、“ 善と悪を見分ける脳力 ” と結びつくことで、より豊かで実り多い人生を追い求める上での圧倒的な力を私たちに与えてくれるのです。



目標を設定するときには、必ずその目標が自分の家族、友達、従業員、そして自分自身のためになることを行うのだという信念に基づいていなければいけません。



他の人たちが、あなたは彼らを公平かつ公正に扱う人であり、寛大で節操のある行動をする人であると認めたとすれば、彼らは、あなたのために全力を尽くして協力してくれるでしょう。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『詐欺師は利益を得るために誰よりもあくせくと奮闘していますが、その代償もたくさん払っているのです。彼らは、自分自身を欺き、“ ぼろ儲けした ” と信じ込んでいるのです。』
セールスには基本的なルールがあります。それは、他の人に対して商品の良さをうまく納得させる前に、まず “ 自分自身を納得させなくてはならない ”ということです。自分が売り込む製品やサービスの価値を自分で信じていなければ、他の誰も信じようとはしないでしょう。



もし不公正な取引きで他人をだましていれば、「間違ったことをしている」という自分自身の心の内なる声と葛藤しなくてはなりません。公正な取引と言えるのは、それに関わるすべての人にとって正当なものであるときだけです。



関わる人それぞれに対して利益を得るための平等なチャンスが与えられ、なおかつ、お互いの繁栄を思いやるパートナー同士でリスクを分かち合うことができれば、成功の可能性が高まり、成功への過程も一層楽しいものになるのです。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『 「君にそんなことができるはずはないよ」とあなたに言ったのは誰ですか?その人は、あなたの限界を定める資格を持つほど、大きな成功を収めたというのでしょうか?』
人生における経験を重ねるにつれ、頼みもしないのに気前よくアドバイスしてくれる人たちというのは、実は一番そうする資格のない人たちだということに気づくはずです。



忙しい成功者は、他人の生き方に口出しする気などありません。彼らは自分自身の人生を生きることに忙しいのです。失敗者たちは ―― 二流の人たちと言ってもいいのですが ―― 時間を持て余しています。そのような人たちは、あなたが失敗するのを見るのが嬉しくて、あなたが少しでも一時的な失敗をすると、すぐに「だから言ったじゃないか…」と口をはさむのです。



もしあなたに、「いま君が成し遂げようとしていることは不可能だ」とか、「努力に値しないことだ」などと言う人がいたら、いったいその人は人生でどんなことを達成してきたのかを観察してみましょう。きっとたいしたことはしていないはずです。



成功者は楽観的です。 “ 人の失敗を喜ぶ人たちの言うことに耳を貸すのではなく、自分自身の要求に従う ” ことを以前から知っていたからこそ、成功の習慣が身についたのです。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『いま歩んでいる道を進み続けると、10年後あなたはどこにいるでしょう?』
実は、大きな成功は小さな成功の積み重ねであり、しかもそれはたいてい、かなりの長期にわたる積み重ねなのだということを、ほとんどの人が気づいていません。



真の成功者は長期的な視野で物事を考えます。また、彼らは、一つひとつの成功を基礎にして前進を続けなくてはならないことや、新しくてより良い物事の進め方を常に学ばなければいけないということを知っています。



定期的に自分の進み具合を振り返ってみることは、目標設定においては非常に重要な部分です。達成までのスケジュールが組まれていなければ、目標は単なる願いに過ぎません。



人生の計画には必ず、短期・中期・長期的な目標を設定しましょう。状況に応じて目標を修正し、達成された目標には印をつけていきましょう。そして自分の成長にあわせて、前よりも大きな目標を新たに設定するのです。



また ―― あなた自身のために ―― 自分が間違ったコースを進んでいないかを確認するための時間を必ず取りましょう。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『代わりにもっと良いものを造り上げる覚悟がない限り、何も壊してはいけません。』
このルールは人間にも物にも当てはまります。よく考えもせず、他人の短所を軽率に批判するのはたやすいことです。また自分の気に入らない状況や他人の行為の中に、ミスを見つけるのも簡単なことです。



人々のための建設者となり、芸術作品や役立つ製品を創造したり、有益な事業を起こす方がよっぽど難しいことです。あなたは人々のための建設者であって、破壊者ではないことを忘れてはいけません。



他人(つまりあなたの子供たちやあなたの会社の従業員、その他あなたが責任を持っている人々の行動や仕事)を批判する時は、その批判が相手の人そのものにではなく、“ 行為 ” に向けられたものであり、“ 改善のきっかけを与えるもの ” であること、またその内容が “ 建設的なもの ” であること

が重要です。また、批判には、具体的な提案を含め、その人の成功の可能性に目を向けたものであるようにしましょう。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『あなたは人生に何を望み、またその見返りとして何を与えなければならないでしょうか?』
「すべての作用は、それと同等の反作用を伴う」という物理の法則があります。人生についても同じことが言えます。あなたが人生につぎ込んだ分だけ、人生から得られるのです。



あなたが惜しみなく時間を使い、惜しみなく努力をすれば、たくさんの報酬を受け取ることになるでしょう。あなたが力を出し惜しみすれば、見返りもそれに見合ったものにしかなりません。大きな報酬を得るには、多大な努力と資本を注がなければなりません。



すべてのものに値札がつけられているということを初めから理解しておきましょう。あなたが目標を定め、それを達成するためには、その対価である時間と努力とセルフ・コントロールが必要であり、それをすべて支払うという決心ができれば、高望みに思える目標でさえもあなたの手の届く範囲にあることに気づくでしょう。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『成功者は、人生に望むものへ心を集中しています。 ―― 望んでいないものにではありません。 ―― 』
あなたがいつも考えていることで、その考え通りにならないということは、まずあり得ません。何かに長い間集中していると、それはあなたの心の一部になるのです。このメカニズムを利用しましょう。



困難な問題について考えていれば、困難な問題を見つけ出してしまうでしょう。解決法を考えていれば、解決法が見つかるでしょう。



疑念や恐怖や不安などといった感情を抱くのは自然なことです。成功者はこのことをよく理解していて、望ましくないことに目を向けて心を乱すのではなく、 “ 実現したい目標に心を集中させる ” ことで、疑いや恐れや不安という感情を克服する方法を身につけているのです。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『代用品の受け取りを拒否すれば、望むものは手に入ります。』
妥協は政治や外交、交渉においては不可欠の要素ですが、目標の設定やその達成においてはそうではありません。人生において偉大な成功を収めた人というのは、最善を尽くしていない自分を決して許さず、重要な目標の達成のためには妥協を認めなかった人たちです。



成し遂げたいと思っていることが十分に達成されていなくても、妥協してそれを受け入れようとしている自分に気づいたら、ちょっと立ち止まって状況を分析してみましょう。



「自分が直面している障害は本当に克服し難いものだろうか?」

「問題を解決する方法がないだろうか?」

「その障害を迂回する方法はないだろうか?」



一歩一歩が小さく思えても、正しい方向に歩んでいればあなたは着実にゴールに向かって進んでいることになります。大きな目標を達成するための道のりはたいてい “ 一歩 ” 単位で測られるのです。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『これまでにしてきたことを気にすることはありませんが、あなたはこれから何をしようとしているのでしょうか?』
シェークスピア[訳注]の「過去のことはプロローグにすぎない」という言葉は、今日のめまぐるしい変化を続けているハイテクの世界にとりわけ当てはまる言葉です。



過去に行ったことはすべて、私たちがこれから取り組む仕事に役立つのです。過去の栄光にうかれていてはいけません。今日の勝利を十分に享受しつつ、未来の成功に向けて計画を立てましょう。



自分が行っていることすべてに誇りを持ち、日常の業務については少しでも改善できるやり方を探し、何かが特によくできた時は自分を褒めてあげましょう。





[訳注]

ウィリアム・シェイクスピア (1564-1616)イギリスの劇作家・詩人。

ゲーテやダンテとともに、世界三大文豪のひとり。中部イングランドのストラット・フォード・オン・エーヴォンに生まれ、1586年頃ロンドンに出て、俳優、舞台監督、劇作家となり、悲劇、喜劇、史劇など多くの傑作を残した。彼の作品は、用語数の多いこと、多くの性格を巧みに書き分けている点では古今に類がなく、世界的古典として不朽の価値をもつ。『真夏の夜の夢』『ロミオとジュリエット』『ヘンリー4世』『ベニスの商人』『マクベス』『ハムレット』『テンペスト』などの作品がある。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『この世の中で唯一永遠のものは、自分自身の心の中に創造したものです。』
私たちが自分の限界としているもののほとんどは、実は思い込みによって自分の中に定めたものであるというのは本当です。私たちは、ある特定の事柄について、それを不可能であると信じていますが、それは自分でそう納得してしまったからなのです。



ある実験で科学者たちが、水槽をガラス板で仕切り、そこに二匹の魚を入れました。そのうちの一匹が、もう一匹を餌食にしようとしていて、最初、捕食しようとしているほうの魚は、繰り返しガラスに何度もぶつかっていたのですが、しまいにはあきらめてしまったそうです。それからしばらくして、ガラス

を取り外しても、二匹とも、ガラスで仕切られていた元の場所でそれぞれおとなしく泳ぎ続けていたといいます。



私たち人間も習慣の生き物です。時には自分の限界を試してみましょう。成長し、物事を上手に処理できるようになるにつれ、以前はあなたを制限していたものが今はもうそうではなくなっていることに気づくかもしれません。



たまには生産的な空想の時を過ごし、「何でも望むことができるとしたら、何をしたいと思うか」ということを考えてみましょう。明確かつ価値ある目標を設定し、それを達成するための計画を立てれば、あなたの夢が実現の可能なものであることに気づくことでしょう。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『あなたが人生に望んでいるものがわかっていないとすれば、あなたが手にするものは何だと思いますか?』
世の中の大半の人は、“ 自分の将来は自分自身で創造していくものだ ” ということに気づかないまま、ぼんやりと生きています。



一方、偉大な成功を収めたほんの一握りの人たちは、自分が何を得たいのかを知っており、目標を達成するための計画をきちんと持っている人たちです。

自分が望んでいるものは何か、それを手に入れるためには何をすればいいのかを知っているのです。



目標は明確で、重要なものでなければなりません。また、達成までの期限がなければなりません。さらに、対処可能な程度に細分化されていなければなりません。



自分が何を達成したいのか、そして、いつどうやって達成する予定なのか、しっかり把握しておきましょう。自分がどれだけ進歩したかを定期的に振り返り、必要に応じて進路を修正しましょう。ただし、決してあきらめてはいけません。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『自分が人生に何を望んでいるのかを明確にしましょう。その代償として何を提供しなくてはいけないのかについては特に明確にしましょう。』
成功者の人生を観察すると、彼らは、自分が手に入れた成功の大きさに見合う代償を払っていることがわかるでしょう。注意深く調べれば、成功する前に何年もの研究と準備の期間があったこともわかるはずです。



この法則は芸術、医学、科学、ビジネス等どのような分野においても当てはまります。やりがいのあるもの、価値のあるもので、簡単に手に入るものなどあったためしがありません。



自分の目標について考える時は、得るものと引き換えに、その代償を差し出す意志があるかどうかについても考えなければなりません。自分が注ぎ込んだものに対する見返りを期待するはるか以前に、時間と才能を惜しみなく提供する決意ができていなければいけません。



“ 一夜にして成功した人 ” と思われている人たちの多くは、何年も人知れず努力を続けており、その後ようやく彼らの業績が認められたにすぎないのです。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『あなたが一番強く望むものを、一番注意深く観察しましょう。』
人生の計画よりも、週末の計画を立てることにばかり時間をかける人が多すぎます。そして彼らは突然、人生が知らない間に過ぎ去ってしまったということに気がつくのです。



自分が人生で何を一番強く望んでいるかを真剣に考えれば、あなたが達成したいと思っていることに注意とエネルギーを集中させることができるようになります。



人生に明確な目標を持つということの素晴らしい利点の一つは、自分の行動の優先順位をつけるのに役立つことです。心の中で大きな目標が明確になっていれば、状況をいちいち分析する必要がありません。自分の取る行動が目標に近づいているのか、逆に遠ざかっているのかが自然にわかるからです。



そのようになれば、あなたが持っているすべての財産 ―― 時間、お金、エネルギー ―― を最も有効に使えるようになるのです。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『賢明であることとは、自分が何を望んでいるかだけでなく、自分が何を望んでいないかについてもわかっていることです。』
目標には、他の誰でもなくあなたにとって最も重要であり、価値をもたらすものを設定しなくてはなりません。特に若いうちは、自分が好きなことや得意なことが何であるのかを知るために、試行を重ねることが必要でしょう。



仕事上の目標や経済的な目標は、例えば、“ 自分にとって大切な人と良い関係を保つこと “ というような自己の目標とバランスがとれていなければいけません。また、あなたの人生計画には、単にそれをすることが楽しいからするといったような、楽しみのある目標も含みましょう。



幸せで、幅広く豊かな才能のある人間になるためには、精神的な成長も不可欠です。人間として成長する上で重要なすべての段階に、必ず十分な時間を割きましょう
◇ 明確な目標を設定する ◇



『人生に何を期待しているのかを正確に把握しており、その獲得のために余念のない人にとって、この世は素晴らしい場所です。』
目標を達成しようと頑張っている時が、私たちにとって一番幸せな時です。

一つの目標を達成すると、さらに大きな目標を設定しようとするのは人間の自然な傾向です。



W. クレメント・ストーン[訳注]は、一つの目標を達成した後や新しい目標に向かって次の一歩を踏み出す前に味わう虚脱感を、“ 直感的に感じる不満 ”と呼んでいます。そのような感情にさいなまれ始めた時こそ、行動を起こす時なのです!



短期目標が一つ達成された後も、自然に次の目標に進むことができるように、必ず長期計画を手元に用意しておきましょう。





[訳注] W・クレメント・ストーン

自らナポレオン・ヒル・プログラムを実践し、米国ベスト250の一人に数えられる大富豪になる。現ナポレオン・ヒル財団理事長。世界最大級の米国の特殊損保会社、エイオン・コーポレーションの会長で、傘下に米国最大手のコンバインド・インシュアランス・グループ他3社を所有。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『明確な目標を持っていない人は、羅針盤の無い船と同様に無力です。』
航海士が使う海図を細かく観察すると、出発地点から目的地へ着くまでの海路は一直線ではなく、幾重にも折れ曲がった線であることがわかるでしょう。航海中の船長は、外的な状況の影響を受けて航路を外れた船を常に軌道修正します。航海中、唯一変わらないのは目的地だけです。



人間にも同じことが言えます。あなたの人生の最終的な計画がどんなものであれ、自分ではコントロールすることのできない環境からの影響は常につきまといます。軌道修正しながら、目的地に向かって進み続けましょう。



その秘訣は、いつも目的地を忘れることなく、海流に流されないようにすることです。
◇ 明確な目標を設定する ◇



『単なる夢想家から脱却する第一歩は、「こういう人になりたい」「こういうことをしたい」という、燃えるような願望を持つことです。』
何年も前の、ある名門大学の卒業式でのことです。来賓の一人が、スピーチの途中、卒業生に対し、明確な人生計画がある者は手を挙げるよう問いかけました。式場を見渡すと、手を挙げた卒業生はたったの3人でした。



25年後に同窓会が開かれた時、その3人の合計収入はクラスの残り全員の合計収入を上回っていました。



自分の進むべき道を知っている人は、必ず、周囲の環境からチャンスが与えられるのを待ちながら目標のない人生を送っている人よりもはるかに高いレベルの成功を実現します。



成功者は、執念にも似た熱心さで目標に集中し、自分のチャンスを創り出します。そのようにして、一つひとつの行動が彼らを目標に近づかせるのです。

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